めざせ100%、めやすは…
薬剤耐性ウイルスができないようにするためには抗HIV薬をどの程度「きちんとのめば」よいのでしょうか
- HIVの治療薬は、「きちんとのむ」ことが大切ですが、そのめやすは95%と言われます。
- 抗HIV薬を95%以上のめた人では、それを達成できなかった人とくらべて、薬剤耐性ウイルスができた人が少ないことがわかっています。
薬剤耐性ウイルスができないようにするためには、100%をめざして「きちんとのむ」ことが大切です。
この“95%”とは、どれくらいなのか、1ヶ月間(30日)で考えてみましょう。
◆1日1回薬をのんでいる人では、1カ月の回数は30回なので
もしも、
1回わすれると29回になるので ……29÷30=96.6%
2回わすれると28回になるので ……28÷30=93.3%
…と、2回わすれると、95%より下がってしまいます。
◆一方、1日2回薬をのんでいる人では、1か月の回数は60回なので
もしも、
1回わすれると59回になるので ……59÷60=98.3%
2回わすれると58回になるので ……58÷60=96.6%
3回わすれると57回になるので ……57÷60=95%
…と、3回わすれても、95%を下回りません。
- これはあくまでもめやすですが、1日あたりの“のむ回数”が少ないほど、“のめた割合”が、かんたんに下がってしまうことがわかります。
- 最近の抗HIV薬は、のむ回数が減って“ラク”になった分、わすれずにのむことが、ますます大切になってきているのです。