Q & A
Q1抗HIV薬を長くのんでいると、いずれ必ず効かなくなってしまうのですか?
Aいいえ。
薬剤耐性ウイルスができなければ、同じ抗HIV薬を長くのんでいても効かなくなることはありません。薬剤耐性ウイルスは、血中濃度が不十分な時や、あらたに感染することでコピーできるようになります。「長期間の服用=薬剤耐性」ということではありません。
Q2主治医から副作用の少ない薬への変更をすすめられました。
でも、せっかく今の薬が効いているのに、変えてしまうと、将来耐性ができたときに使える薬が減るのではないですか?
A減りません。
最近は、副作用を軽くしたり、のみやすい組み合わせにするなど、薬剤耐性以外の理由で抗HIV薬を変更することがふえています。しかし、変更する理由が「もとの薬に効かなくなったから」ということでなければ、効く薬の種類は減りません。そのため、今後の選べる抗HIV薬の種類には影響しないのです。
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Q3(Q2で)もし変更した薬の方がのみにくかったら、もとの薬にもどすことはできますか?
A原則的には可能です。
薬剤耐性による変更でなければ、もとの抗HIV薬に戻しても効果はたもたれます。
ただし、長期にわたる治療では副作用も大事な問題になりますので、主治医とよく相談することが大切です。
Q4薬剤耐性ウイルスができたかどうかは、どのようにしてわかるのですか?
A“薬剤耐性検査”という血液検査をすることでわかります。
これは、保険診療として国から認められている検査です。
Q5いま、のんでいる薬が効かなくなった場合、のんだことのない薬なら、どの薬でも効きますか?
Aいいえ。
効かなくなった抗HIV薬と、同じ特ちょうを持っている薬では、たとえのんだことがなくても、効かないことがあります。
“どの薬が効いて、どの薬が効かないのか”は、薬剤耐性検査で調べることができます。
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Q6抗HIV薬ののみわすれに気づいたときは、どうしたらいいですか?
Aのみわすれに気づいた時刻によって対処方法がちがってきます。
①次にのむ予定時刻までかなり時間がある場合(はやめに気づいた場合)
- 気づいたら、できるだけすぐにのんでください。
- 次からは、また予定時刻にのんでください。
- おくれたからといって次にのむ時刻を、おくらせる必要はありません。
②次にのむ予定時刻がせまっている場合(気づくのがおそかった場合)
- わすれた分はのまずに、1回とばします(パスします)。
- 次からは、また時刻どおりに、1回分をのんでください。
- わすれた分とあわせて、2回分をのんではいけません。
- のめなかった回数(パスの回数)は、次の診察で医師につたえましょう。
わからないときは、担当の医師・薬剤師にききましょう。
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Q7災害や、旅行中のトラブルなどで、次の受診までの薬がたりなくなった場合は、どうしたらいいですか?
Aこのような非常時の対処法は、薬によって大きくちがってきます。
また、非常時は、冷静な判断ができなくなることがあるため、次のような“そなえ”が大切になります。
いざ、というときにそなえて・・・・
- 常時の具体的な対処法・連絡方法を、担当の医師・薬剤師にきいて、たしかめておきましょう。
- 数日分の薬は、いつも持ちあるくように心がけましょう。
- 薬の名まえ、のむ量を覚えておきましょう。 紙にメモして、財布などに入れておくのもオススメです。
- 携帯電話の電話帳が使えなくなったときにそなえ、病院などの緊急連絡先は、紙にメモして持ちあるくようにしましょう。
薬が変更・追加になると、対処方法も変わりますので、わすれずに医師・薬剤師にたしかめるようにしましょう。